占部塗装 海と山

鉄面の素地調整  

鉄面の素地調整

素地調整とは、木材の素地面を塗装に適した
ものにするための検査、研磨、キズの補修などのことである。
とくに塗料の吸込みムラを防止するために
サンダーで研磨することをグルーサイジングという。

1.塗替えにおけるケレンの程度
素地調整の程度 処理面の状態 処理方法
1種ケレン 旧塗膜、さび、ミルスケールを完全に除去し、
金属光沢の鉄の地肌が完全に出る程度。
ショットブラスト
サンドブラスト
2種ケレン 発錆のはなはだしい面で、動力工具、手動工具
を併用し、鉄肌が現れている程度。
トンカチ、力棒、細のみ、鋲かきなどを
主として用い動力工具を併用する
3種ケレン 部分的な発錆面で、活膜は残しその他は地肌
が現れていること。
同上
4種ケレン 旧塗膜変色、白亜化のみで、粉化物、汚れを
ワイヤーブラシなどで除去(鉄肌は露出していない)
ワイヤーブラシなど
引用文献  鋼道路橋塗装便覧  (社)日本道路協会

素地調整の程度 処理面の状態 参考規格
SSPC SIS
1種ケレン 全てのミルスケール、錆、腐蝕物質、汚れ、その他異物質を完全に
取除いた表面。
但し、強固な残存物(ミルスケール、錆、酸化物の僅かなシミや変色)
は、その対象としないが、少なくとも、表面積の95 %には明瞭な残存
物がなく、残りの面積にも上記の様な、わずかな変色、シミ残存物など
があるのが程度である。
SP-10 Sa-2 1/2
処理方法
Near White、Blast Cleaning
○ショットブラスト   ○サンドブラストなど
2種ケレン 発錆のはなはだしい面で、動力工具、手動工具
を併用し、鉄肌が現れている程度。
完全に固着したミルスケールは残し、固着しないミルスケール及び錆、
腐食物質、油脂、汚れ、その他異物質を完全に取除いた表面。但し、
強固な残存物(ミルス ケール、錆、酸化物の僅かなシミや変色)は、
その対象としないが、もし表面に孔触があれば、錆や塗膜の残存物が
その底に残るが、少なくとも表面の2/3 には、明瞭
な残存物がなく残りの面積にも上記の様なわずかな変色、シミや残存
物があるのが程度である。
SP-6
(SP-3 )
Sa-2
(St-3 )
処理方法
Commercial Blast Cleaning、Power Tool Cleaning
○ディスクサンダー  ○ワイヤホイール  ○グラインダーなど
3種ケレン ワイヤーブラシ、スクレーバー等で、浮いたスケールや錆、旧塗膜、
油脂、汚れ、その他異物質を除去する。
表面は、かすかな金属光沢を持つ程度である。
SP-2 St-2
処理方法
Hand Tool Cleaning
○ワイヤーブラシ  ○スクレーバーなど
〈参考規格〉
SSPC 規格(U.S.A Steel Structual Painting Councils )SIS 規格(SWEEDEN,SVENSK Standard,S.I.S 055900 )

2.塗替え工事における旧塗膜の劣化度と適用ケレンの判定方法
適用ケレン さび又は塗膜の状態
2 種 発錆面積は30%以上
点さびが進行し、板状に近い状態やこぶ状さびとなっている
3種A 発錆面積は15%以上30%未満
点さびがかなり点在している
3種B 発錆面積は5%以上15%以下
点さびが少し点在している
3種C 発錆面積は5%以下
点さびがほんの少し点在している
4 種 塗膜異常面積は5%以下
発錆は無いが、われ・ふくれ・はがれの発生が少し認められる

3.塗装改修工事における下地調整の種別と内容
種別 内         容
RA種 既存塗膜全体が劣化している場合に、既存塗膜を全面除去後、新築工事の素地ごしらえA種に相当
する処置をするもの
RB種 既存塗膜が部分的に劣化している場合に、劣化した塗膜を除去後、新築工事の素地ごしらえB種に
相当する処置をするもの
RC種 既存塗膜の劣化が表面部分のみの場合に、新規塗膜との付着性を良くするために表面を研磨するもの

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